こんにちは。杉本養殖ホームページ担当の「中の人」です。
10月も終わりに近づき、引本浦の海にも少しずつ秋の深まりを感じる季節となりました。
そんな秋の海に、杉本養殖として初めてとなる、試みがございました。
今回迎え入れたのは、人工種苗のモジャコ、12,000匹です。
実は当初、もう少し早い時期に到着する予定でしたが、台風の影響で入荷が約1週間延期に。
自然を相手にする仕事ですから、予定どおりにいかないことも珍しくありません。
それでも無事に迎え入れることができ、杉本養殖にとって新たな一歩となりました。

春のモジャコ不漁を経験して
モジャコとは、ブリの稚魚のことです。
ブリの養殖では、春に海で採捕された天然のモジャコを育てる方法が広く行われています。
しかし、今年の春はモジャコが不漁となり、思うように稚魚が入ってこない状況もありました。
自然の恵みに支えられている養殖業ですが、その一方で、海の状況によっては必要な稚魚を確保することが難しくなることもあります。
そこで今回、杉本養殖では初めて人工種苗のモジャコを導入することになりました。
天然モジャコと人工モジャコ、何が違う?
天然モジャコは、自然の海で生まれ、流れ藻などに集まっているところを採捕したブリの稚魚です。
採捕できる時期が限られており、主に春に養殖場へ導入されます。
一方、人工モジャコは、人の管理する環境で卵からふ化させ、育てた稚魚です。
天然モジャコとの大きな違いのひとつが、導入できる時期です。
人工種苗は生産時期を調整できるため、今回の杉本養殖のように、秋に導入することも可能です。
春の天然モジャコだけに頼らず、養殖を始める時期に新たな選択肢が生まれることも、人工種苗の特徴です。
(ほかにも餌への慣れや、生育の違いなどもあります。)
新しい取り組みも、変わらない気持ちで
今回、杉本養殖にとって初めての人工種苗の導入となりました。
これまで積み重ねてきた経験を大切にしながら、新しい方法にも目を向けていくこと。
海の環境や養殖を取り巻く状況が変わっていくなかで、こうした取り組みも大切になってくるのだと思います。
迎え入れた12,000匹が、これからどのように成長していくのか。
私たちにとっても、新しい経験の始まりです。
これからも一尾一尾の様子を大切に見守りながら、引本浦の海で丁寧に育てていきたいと思います。
また成長の様子も、この「四季のお便り」でお伝えできればと思います。

